2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

LOVE IS BUBBLE

世間では、同時期に封切りされた「博士の愛した数式」(小泉堯史監督)のほうにどちらかといえば多くの共感が向きがちであったが、わたくしは「嫌われ松子の一生」(中島哲也監督)のほうを高く評価した。 わたくし自身の好みというものがはっきり見てとれる…

日本医師会の資料「医療分野における課題」の中には医師数の絶対的不足に関する記述が一切ないのであるが

http://www.kantei.go.jp/jp/keizai_kaigou/090321/090321_02.pdf 地域や医科別の偏在性はあるにせよ、産婦人科医の量的不足は相当深刻化しているというのが最近の世間一般の共通した見方として固まりつつあるように思える(産婦人科医数はこの十年間で約1…

日本の小父さん小母さん

フィナンシャルタイムズ誌記事の『世界の進路を決める50人』について過去に取り上げたことがあった(3月25日付け「仏蘭西の小父さん」参照)が、その際、日本人への言及はしなかった。 正確には、内容が乏しくて言及できなかったというところが真相なのであ…

ふと眼が醒めるとそこが見知らぬ土地であったという体験

若い頃は油断をして帰宅電車を寝過ごしてしまうということは、通勤経験者であれば誰にでもあることではないかと類推をする。 さすがに深夜東京駅発の東海道線623M電車に乗って、寝過ごして、朝起きたら大垣であったよといった豪快な乗り過ごしの経験はないが…

七光りを英語に直すと’through the influence of one's father [mother]’となり、如何にも味気ない

政治家の世襲ということがよくない風潮のように取り上げられることが多い。 政治家の肩を持つ積もりはさらさらにないが、政治という仕事の中に、一子相伝による特殊技能といったものが存在するのであれば、世襲を殊更忌嫌う必要はないのだろうとも考える。 …

13歳からのハロー・ワーク

政治家や官僚などと並んで、他人様から良く思われていない人種に分類されることの多いマスメディア業界であるが、彼ら人種にあっても、彼らなりの矜持というものがあるのである。 マスメディア人種が語るマスメディア訓話である。 http://www.nikkeibp.co.jp…

仏蘭西の小父さん

いくつかのメディアで紹介記事を見かけたが、この『世界の進路を決める50人』という些か魅惑的なタイトルを掲げたフィナンシャルタイムズ誌記事の邦訳版があった。 http://news.goo.ne.jp/article/ft/business/ft-20090318-01.html 得てしてわたくしたちの最…

GO WEST その後

わたくしのお気に入りの雑誌の一つに「西の旅」という季刊誌があった。 「あった」ということであって、現在では既に廃刊になっている。 創刊号から欠かさずに購読を続けてきたが、これまでの全冊を重ねても百科辞典一冊分の厚さほどにしかならない、そんな…

松阪大竹姉妹

復古ブームに乗じたというわけでもないが、「事件」(大岡昇平)を読了。 裁判ものミステリと一言でいってしまえばそれまでかもしれないが、今時これほど懇切丁寧に文章に文章を重ねる作家というものがあるだろうか。 その作法はまるで職人技のようでもある…

HER NAME IS 染井吉野

相変わらず何を言いたいのかよく分からないM紙の科学記事ではある。 いっそのこと点数を付けて送りつけてやろうかとも思ったが、町の何処かでばったり会って気不味くなるのも嫌なので、止めた。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090317-00000058-mai-s…

夏の高原を駈け抜けるのは乙女ではなく、青い稲妻

該当記事は、吹雪の中の落雷である雷雪(thundersnow)に関するものであったが、掲載されている白黒の風景写真を見て、かつて数年間暮らしていたことのある地を思い出していた。 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090305-00000000-natiogeo-int …

イラ

わたくしは、長年に亘り比較的重篤な花粉症に罹患しているということもあり、所要の服薬以外に、様々な花粉症緩和グッズと呼ばれる道具が欠かせない。 その中で、わたくしが常時携帯しているものの一つがフリ●ク。 花粉の飛散度合いに比例して、フルーツ→ユ…

褒め称しているのは誰

脳梗塞という病は、日々の生活の中で血管の収縮や硬直が進行していることが顕在化しないという点において、予兆や予測が難しいらしいたいへんに厄介な代物である。 所謂「論壇」という一つの作法様式において、世間の中で概ね共有化されている理解としては、…

ジョジョとジョゼ

「ションベン・ライダー」(監督:相米慎二)は、わたくしのフェイバリット青春映画の五指に入る作品である。 既に封切りから25年何なんと経とうとするが、未だに賛否渦巻く批評があり、観た人たちの判断はきっぱりと割れているようであるが、わたくしは、批…

鼻提灯

昨日に続いて、dodgyな記事を見つける。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090317-00000000-cbn-soci ◆いびき軽減グッズは根拠なし―公取委 「睡眠時に鼻につけるだけでいびきを軽減」などとうたって販売した商品の効果に科学的な根拠がないとして、公正…

美容院で「プリンスのような髪型」と注文した場合、斬新なドレッドパーマではなく、きっちり七・三わけの刈り上げにされてしまうか?

英国はBBCのニュースにこんな記事があり、お国柄とは言え、歴史と伝統と気品とウィットとLadies&Gentlemenに支えられた彼岸の国では、あのプリンス(チャリ坊)さえもペテン師呼ばわりである。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7934568.stmPrince Char…

旅の重さ2

一人旅は未成年の頃から好きで、職務質問をよく受けたりもしたが、堂々と身分と事情を話せば放免して貰えた。 高校生の時分に、旅先の山●駅前のバスの待合所に佇んでいた際、隣にすいとやって来られた小父様が「ちょっと手を貸してくれないか」と言うので、…

現金なこと、現金なもの(三話)

【その1】 「百年に一度」というその枕詞の使い方からして明らかに胡散臭さ全開なのではあるが、今般の景気対策の1アイデアとして政府紙幣であるとか無税国債発行だとかが一部で浮き沈みを繰り返している。 その推進者は、とても分かりやすい薔薇色の説明…

青春の蹉跌のその先にあるもの、いま風に味気なく言えばアラサー

宮本輝の作品に「私たちが好きだったこと」という、青春の終焉の情景をよく表した作品がある。 映画では愛子役の夏川結衣が素敵だった。 青春の終焉といえば、テレビドラマ「男達の旅」のエンディング風景(今で言うところの「にんげんだもの」的なテロップ…

シュムペータとドラえもんの密とは言えない微妙な関係

過日、と或る団体バスに乗り合わせる機会があり、車中、大勢の小学生諸君らと一緒になって、ドラえもんの映画を鑑賞する幸運(?)に恵まれた。 わたくしは、正直なところを吐露すれば、ドラえもんよりもオバQのほうが余程好きなわけであったが、ほとんどの…

犬の遠吠えは敗北を意味しない

「ベルカ吠えないのか?」(古川日出男)読了。 久しぶりに、エモーショナル溢れる作品というものに接することができた。 《犬の視点で戦争と紛争の世紀(20世紀)を描いた大河史》 一言でいってしまえばそれまでの内容であるが、ストーリー、展開、文章作法…

「温暖化異聞」をよむ

Y紙の地球温暖化研究に関する連載記事を読む。 中央紙の中では科学に対して比較的冷静かつ中立的な記事が多いY紙である。 今回もわたくしたち一般読者に分かりやすい内容記事であった。 http://www.yomiuri.co.jp/eco/ondan/on090223_01.htm http://www.yo…

ウェブの「どうぶつ適職診断」を試してみたところ、《河原の土手道の真ん中でじっとしている斑猫》という結果が出たが、その場合でも心配には及ばないのだ(三行文)

面接の極意なるハウツー本をぱらぱらぱらと捲ってみる。 至極尤もな内容が書かれている。 成る程成る程とわたくしは頷く。 ◆面接の極意ベテラン面接官は目元と口元を見ている。 面接では応募者の目と口を見れば、その人が良いか悪いか分かる。 面接官の質問…

わた・スキ(→省略厳禁)

EP/LPレコードがいつの間にかCDにとって替わり、この先はUSBまで行こうかという時代、CDショップをレコード屋さんと呼ぶことはなくなった。 それと同じように、スキー場もあっという間にスノーボーダー連に席巻されてしまい、いつの日かその名の通り呼ば…

経済学者がダーウィンの海を越えることの本懐

経済学と倫理問題について論じている一文である。 http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=108&pageStart=0 ◆経済学が大不況の原因:坂本慎一(PHP総合研究所主任研究員) 経済学の数学化は主に20世紀初頭から始まり、より高度な数式で経済モデルを…

寒い国から来たのである

殺し屋の似合う俳優ベスト3. ■砂塚秀夫 ■成田三樹夫 ■岸田森 皆、北方系の香りがある。 スパイ小説と言えるのかどうかよく分からないが、このジャンルのミステリの代表作としては、「エトロフ発緊急電」(佐々木譲)を挙げたい。 「三重露出」(都筑道夫)…

竹藪に矢を射る

2000年代前半の我が国構造改革の理論的主導者でもあった竹●元大臣の最近の主張を目にする。 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/jcer04.cfmこの御時世の折、さぞや肩身の狭い思いをされているのではないかと推し測ってみるに、それは下衆の勘繰りというもので…

分子量164.39

ラベンダーの香りに関して、エーテル(ジエチルエーテル)で気を失うかという話を以前書いた(2月15日付け「時間旅行のツアーはいかがなもの」を参照)のであるが、薬品による失神経験というものがわたくしにはある。 手術前の麻酔ではない。 飯場で働く若い…

上から目線

上から目線 自分の事を棚に上げて、他人を見下す雰囲気や言説のこと。 居酒屋で3人の男達が卓を囲んでいる。 吊し上げられそうな話の種であれば何でもよい、今宵も格好のエサが酒の肴となる。 A(短髪の中年):「お役人つうのは何であんなにいけ好かないん…

新種の蛙を食べていた放鳥朱鷺にその味加減を尋ねてみたい

自然環境を題材とするニュースからの素材である。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090301-00000065-san-soci ◆新種のカエル 放鳥トキが食べていた 国の特別天然記念物のトキ10羽が放鳥された新潟県佐渡市で、新種の可能性の高いカエルが発見された。…