始まりの終わり

一年の区切りを迎える日である。
この一年間、日々欠かさずBLGに思うところを述べる作業を続けてきた。継続は力なり。よくやってきたと我ながら思う。
わたくしがこれを始めようかななんて思った理由は、だいたい100個くらいあって(←くるりの『ハイウェイ』からの借用)、一つ目は、わたくしの大好きな曲を出来るだけ沢山リストアップしてみたいと思ったこと。
もしも曲の一つ一つに独自の色が付いているとしたならば、それを数多く集めたときに出来る繪柄は一体どんなものなのになるのだろうかと考えた。7,8割方わたくしの持っているMP3のわたくしの編集した選曲集に近いものになった(当たり前である)。とは言え、なかなかに味のある名曲撰集は完成した。
二つ目は、日々の出来事を綴るといった日記形式には全く興味はなかったものの、わたくし自身がその一日に何を考え、何を思ったのかを記録してみてもいいかな、なんて思ったこと。
おそらく自分自身の回顧録であるとか、大げさに言えば人生行程であるとかを出来るだけ客観視したいと思うのであれば(それは人生の後半期にそうしたいと考える人も多いのかもしれないとも思う)、いつどこで自分が何をしてきたかということよりも、その時に何を考えていたかということの方が、一般庶民にとっては余程客観的でリアルに自分自身に近いものを感じることができるのではないのかと思ったのである。
そうした動機から、この場では身の回りの出来事を記録するだけではなく、その際にどう思ったのか心の中を詳らかにするように出来るだけ心掛けてきたつもりである。
十分にそれが展開できたかどうかは心許ないが、人格の色合い(カラー)はそれなりに滲み出ていると言えるのではないだろうか。
350日弱を費やし、様々なことを思い考えしてきたつもりではある中、これで十分に言い足りたとは到底思わない。
それはおそらくわたくし自身の未来が未だに可能性を秘めている部分があるはずだという期待の裏返しでもある。
しかし、一方で、これ以上精緻なモザイク画の完成を目指しても(5年後、10年後の比較は別にして)、わたくし自身の色彩の特徴が大きく変わってしまうこともそうはないだろうとも思う。2009年という一年だけを区切って切り取ってみた、スナップショットを創り上げたというところに味や景色があるという考え方もあろうし。
そして三つ目に、月初めには、わたくしの好きな詩歌を掲げる方針ともしてみた(但し、11月は1日ではなく、11日)。
わたくしの好きな詩人は概ね網羅できたように思う。
むしろその1編1編の作品の出来映えにはそれは素晴らしいものがあるのであるからにして、これらを束ねた詩歌集は、音楽以上に華やかな味わいがあるものになっているのかもしれない。
これは予期せぬ収穫とも言える。


さて。
蛙に冬眠は欠かせない。そのための旅に出る。
1月以来毎日欠かさず更新をしてきたこのBLGも区切りの良い本日をもってその作業をいったん停止する。
今後は、これまでの過去の日々に関する個々の内容の誤記修正、加筆、変遷、方針転向を含めて、この約一年間の内容のより重層化を目指した充実に努める編纂作業を主として、不定期にこれに携わりたいと考えている。
したがって、過去に書いたBLGも、今読み返すと内容に忸怩たる部分があるやもしれないので、いつの間にか部分改竄(ネットマナーを最低限守りつつ)されていたりすることがあるやもしれない。
ロンドのように、もう一度、1月のスタート時に戻って、何度もぐるぐる読み返す、そうした体裁にしたいところだ。


なお、この一年の作業で最も苦心した点を最後に感想として記したい。
それは、なんといっても、「本日の音楽♪」の選曲であろう。基本的に、アーティスト一名(個人と団体では人格を別にして勘定した)に対して一曲。
であるからにして、当初は「アローン・アゲイン」に始まり大好きな曲がつらつらと頭に浮かんできて愉しかったが、一人一曲の約束事は次第に容易ならざるを得ないものになっていった。
加えて、途中からは「あ〜わ」までアーティストを隈無くリスト化することを念頭に置いて選定をしてきたところもある。特に苦労したのは、「ぬ」。
結果、約三百余名のアーティストを登場させるのには相当苦吟を繰りかえしてきた次第である。


アディオス、皆の衆。
来るべき年が生きとし生けるものに対して幸多いものであるように。


本日の音楽♪
「I WILL」(THE BEATLES