現金なこと、現金なもの(三話)

【その1】
「百年に一度」というその枕詞の使い方からして明らかに胡散臭さ全開なのではあるが、今般の景気対策の1アイデアとして政府紙幣であるとか無税国債発行だとかが一部で浮き沈みを繰り返している。
その推進者は、とても分かりやすい薔薇色の説明を繰り返すが、過去に各国が懲りてタブー化されているという話を耳にすると、推進者は何故それに対する抗弁を丁寧に行わないのかと訝しくなる。
せめて提唱段階であるのだから、(実際に現実がどうなるのかが一番重要なのではあるが)インフレだとか国債信用低下だとか「そんな心配には及ばない」なんて一蹴せずに、真っ当な論理で反論をして欲しいものである。●天の親爺殿との違いについても宜しくお願いしたい。
かといって、わたくしはその推進者たちに特段の肩入れをしている事情も何もないので、そういう識者達のタレント選別には、謂わばもってこいの機会でもあるわけである。
推進者リストをチェックして、後のわたくし自身の中でのレッテル貼りを愉しみたい。
ちなみに、定額給付金の経済効果について、「やらないよりは効果がある」なんてもっともらしく解説をしている識者には、「宝籤は買わなければ当たりませんよ」という説明とどう違うのか尋ねてみたいものである。


【その2】
映画「おくりびと」が日本アカデミー作品賞を受賞した際は全くそのような風潮でもなかったのに、彼岸の国の本家本元の賞を受賞した途端、映画館は長蛇の列ということで、正に。
北陸のと或る県では、たいそう悔しさも滲んでいる様子である。
そこまでの現金は誰も求めていない。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090225-OYT1T00083.htm


【その3】
某ディスカウントショップのレジに一円玉の詰まった瓶が置いてある。
『釣り銭の足りない際にご利用下さい』とある。
但し、お一人様一回×円までという断り書きも当然のことながら付してある。
わたくしが初めてこれをレジで見かけた時に、一体自分が買い物に来ているのか何をしに来ているのかが一瞬分からなくなってしまった。
「アリ?」「これはアリなの?」
激しく自問をし、動揺をした。
結局、使いませんでしたけれどもね。一円玉。


本日の音楽♪
銭ゲバの主役の彼は、これから芸能界で擂れていかないことを期待している。恐らく、まったく余計なお世話ではあろうと思うが。
「さよなら」(かりゆし58)