超音波ネタばかり取り上げていると、いつかキカイダーが愛想を尽かして逃げ出してしまうかもしれない

『超音波で若者退治』という相当に眉に塩を盛ったっぽい話題を以前取り上げてみたが(当該関係者諸氏が未だに真剣にこれに取り組んでいる最中であると思われるので、露骨に蔑まない配慮は持っておきたいと自制しつつ)、目を転じてこちらの方はというと、いたってステディな取り組みであるようには見える。
http://brain.naro.affrc.go.jp/iam/Press/iam_press090707-1.htm


果樹園の害虫である蛾の一種(夜中にばたばたと飛来をして桃の汁をちゅうっと吸い々々、実を次から次へと傷つけ、商品価値を落としていくという悪行三昧らしい)を超音波によって撃退しようと、新装置を開発したとの報道内容である。


プレスリリースされた資料の内容を読む限りにおいては、もっともらしいエビデンスも示されている。装置の設置の有無を比較した圃場試験結果によれば、本装置の設置によって、蛾の飛来数は1/20以下に、被害果数は1/10以下にそれぞれ減少したとの実証データが示されている。


この超音波の周波数は40kHz。蛾の天敵であるコウモリが自ら発する音波に似せたという点がアイデアセレンディピティたるミソとなっている。
ちなみに、人間が関知できる周波数は下記のとおり。
いくら鈍感な大人達よりも格段に感受性の高い若者と雖も、この音波を感知することは出来まい。


この害虫に対する防御策として、これまでは、蛾を誘き寄せる「誘蛾灯」による捕殺が最も効果的であったとの由。
ネオンで虫を誘い出すなんて、何だか、どこまでも行っても、若者と昆虫はシンクロして見えるような気がするのではあった。

人間の耳に聞こえる周波数はおよそ16Hz〜20kHzの範囲とされており,これ以外の周波数を直接聞くことはできない。また,個人差もあるので実際に誰にでも聞こえるのは100Hz〜10kHz程度といわれている。


商品化までにはまださらに本装置を練り込んでいくらしい。何というか、慎重居士というか、オカミらしいスピード感というか。
なお、例のあちらの方も係争に持ち込まれないことを祈念。


本日の音楽♪
「オーロラ・ガール」(ちわきまゆみ