白い花黄色い花(蒲公英編)

いつもの道を朝歩いていたら、道端にシロバナタンポポが咲いていた。
北の方面の諸藩ではあまり見掛けることのないシロバナ種のタンポポを珍しげに見やりながら、そう言えば、修学旅行で初めて江戸方面へと上洛をした時に、シロバナタンポポを探し出すのを一番の楽しみにしていたことを思い出した。
それと、当時住んでいた地域の西洋種と在来種(関東種)のタンポポの分布についても自由調査研究をしてみたなあと思い出したりした。
当時からその地域では、西洋種が圧倒的な優占種であったことを記憶している。



そういった調査は今でも各地で行われており、こんな記事を見掛けた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090502-00000118-san-soci



但し、わたくしの当時行った野外調査では、記事にあるような、「西洋種が優勢イコール環境破壊(環境悪化)」といった認識や考察は全くもって抱いてなかった。
今も持ってない。
セイヨウタンポポが環境破壊か。
仮に西洋種が在来種と比較して都市化環境により適合性があったとして、それを持って環境破壊とは誰も言わないだろうに。
例えば、ペンペン草が在来種から外来種に置き換わったとして、それも環境破壊と考えるのであろうか。
記事では、また、西洋種と在来種の交雑によって、見かけ上西洋種の雑種が増えていることも問題だとしている。
固有種がそんなに大切だと思うのならば、洋蘭のように温室でひっそり育てるか、遺伝子バンクに保存でもしていれば宜しい。
いくら島国とは言え、この国の自然環境は「開放系」が基本である。
その中での生存競争、淘汰は当然存在する。
100年前と現在の植生は(雑草も含めて)明らかに異なる筈である。
そして、100年前の植生により高い価値があるわけではない。
あいもかわらず、外来種イコール悪者の図式ばかりで、何だかなあという気持ちに更に追い打ちをかけるような次のコメントも付け加えておこう。


純粋な日本固有の種が失われつつあるが、調査会は保護活動はしない。××教諭は「あちこちから採ってきた在来種を植えても、遺伝子を攪乱(かくらん)させることになるからです」とあくまで強調する。「『都市化の指標』という観点で、人間の活動で環境が悪くなり、外来種が増えているという警告を出していきたい」と話している。

何だかなあ。
学んでいる学徒はその曖昧なスタンスを十分に理解しているのだろうか。若者が変な思想に固執しなければいいのだけど。
主宰者に対して、一体どういう価値観で生きておられるのか是が非でも聞きたくないところではある。知っても混乱するだけなので、誰にも言わなくて宜しい。
ひとつだけ。
「遺伝子攪乱」などという専門用語を使えば、説明している気に浸っているのは大いなる幻想。
思考が攪乱(あるいは沈殿)しているだけのことであろう。



ちなみに、別件であるが、あの憎き外来毒蜘蛛に在来種の天敵寄生蜂が確認されたそうである。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/alien_species/
生物多様性なことで、結構な話である。
5人や10人ちくりとやられたくらいで杞憂に大騒ぎする必要はない。
幼稚園の先生ならば、きっとこう言うに違いない。
「そろそろセアカ君もみんなの仲間に入れてあげましょうね。」




本日の音楽♪
「On The Street Where You Live」(羊毛とおはな