オバマノミクスとお好み焼MIX

4月14日にオバマ大統領が経済に関する《重要》な演説を行うとホワイトハウスが事前予告通告をしているにも関わらず(その予告記事はbloomberg配信にあった)。
にも関わらずである。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003009&sid=a8cKAcDyQwL0&refer=jp_top_world_news


この演説内容(於:ワシントン州ジョージタウン大学)を詳しくフォローした国内主要各紙の少なさは、一体どうしたということなのだろう。報道形跡の全くない社さえある。大丈夫か。
ホワイトハウスのいいなりになる必要は全くないが、少しはその演説を解説した記事があってもいいのではないか。(国内通信社で見つかったのは、共同の簡潔な配信記事)
http://www.shizushin.com/news/pol_eco/national_eco/2009041401000935.htm
オバマの集会記事もいいけれど、基幹となるstatementは(解説が無くても、幼稚園児の遣いでもいいから)、その内容を報道を伝達をしておくれ。


演説の骨子は、配信記事にもあるとおり、米国経済成長のための5つの主要施策を説明している。これまで以上に新しいことを語っている形跡はあまり見られない。これに対して、肩すかしだという反応もある。
 *ウォールストリートの金融規制改革(秩序だった介入を行うための新たな法制度を年内に制定)
 *教育投資
 *再生可能エネルギー投資(温暖化ガスへのキャップ設定)
 *医療コスト削減のための投資(本年中に高齢者向け医療制度、低所得者等向け医療扶助制度、公的給付制度への着手)
 *連邦予算の節約


世界景気が今後急激に上向くとは誰も思っていない(大統領も然り)中で、ウオール街にも自動車産業界にも国民にも相応の責任というものを重ねて求めている。巷間「大きな政府への転向」といったことが頻りに言われてはいるが、わたくしにはむしろこうした'One For All'の考え方に興味を引かれる。


それはそれとして、バイアメリカン条項に見られる保護主義についても僅かであるが述べている。

We pledged to avoid the trade barriers and protectionism that hurts us all in
the end. And we decided to meet again in the fall to gauge our progress and take additional steps if necessary.
(仮訳:我々G20は、究極的には我々全てに弊害をもたらす貿易障壁と保護主義を回避することを確認した。また、今秋予定の再会合において、これまでの進捗状況を見極めつつ、必要に応じて追加的な措置をとるべく決定した。)


G20主導を滲ませている点は特徴的に思うが、どこまで保護主義色を払拭できるか。米国は、明らかに貿易政策から内需振興政策へと歴史的な転換となる舵を切り、これによってバイアメリカンのような政策が内需振興と相俟って非常に力を増すのではないか、それはスーパー301といった魔の宝刀以上に貿易立国日本に甚大な影響を及ぼすのではないか、といった主張を見かけた。
それが正しいかどうかの判断はわたくしには出来ないが、注意深く今後の推移を見ていく必要はあろうということであろう。



さて、恒例になった印象深い台詞回しのピックアップ。今回は、それほど情緒的ではないが。

We cannot rebuild this economy on the same pile of sand. We must build our house upon a rock. We must lay a new foundation for growth and prosperity .
(仮訳:米国経済を砂の上に建て直すことはできない。岩の上にこそ我々の家を、成長と繁栄の新しい基盤を築き上げなければならないのである。)

All of these efforts will require tough choices and compromises. But the difficulties can’t serve as an excuse for inaction. Not anymore.
(仮訳:これら努力の全てが厳しい選択と譲歩を必要としよう。しかし、その困難さを怠慢の隠れ蓑として使うことは赦されない。言い訳はもう赦されないのである。)


本日の音楽♪
「PLEASURE SYNDROME」(NOBODY)