アフリカの地名をソラで30個言えるか

今日は高専ロボコン帰りである。結果を口走ってしまうわけにはいかないので、それはまた後日。
http://mainichi.jp/select/world/news/20091106ddm041040071000c.html

◇沸騰コーヒー論争
 コーヒー豆「シダモ」「イルガッチェフェ」は商標か、それとも単なる地名か? エチオピアと業界団体「全日本コーヒー●会」(東京都中●区)の対立が法廷闘争に発展している。5日、知財高裁(●野哲弘裁判長)で第1回口頭弁論があり、エチオピアは「欧米でも商標登録されている」と主張した。●会側は取材に「価格高騰につながる」と反論している。
 シダモ、イルガッチェフェはいずれもエチオピア南部の地名。エチオピアは二つの名称について、コーヒー豆として06年に特許庁に商標登録したが特許庁は3月「産地名であり独占使用を認めるのは公益上適当でない」と審決し、商標を無効と判断したため、エチオピアが8月、知財高裁に提訴した。
 エチオピア側は訴状で「産地名としては日本では無名。銘柄(ブランド)名としてとらえるべきで、米国や欧州連合(EU)で商標登録されている」と主張。一方、●会の●野豊秀専務理事は「ブラジルやコロンビアでもコーヒー豆の名称の商標登録をしていない。二つの名称をエチオピアのコーヒー豆と認識できる消費者はほとんどいない。商標登録が認められ価格が上がった場合、購入者がついてくるか疑問だ」と話している。

インターン生の尚人くん:「コーヒーの商標登録を巡って、アフリカの国が知財高裁で争っているというニュースです。」
弁理士の閑さん:「僕は何も関与していないよ。」
尚人:「そんなことは分かっていますよ。『シダモ』や『イルガッチェフェ』といった名前は商標名としては認められないという特許庁の判断のようですね。」
閑:「商標名は、原則として産地名称は認められないということだね。」
尚人:「それはどうしてなんですか。」
閑:「自己の商品・役務と他人の商品・役務とを区別することができるか否かが判断材料となるのだね。具体的に商標を受けられないものとして、『商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装 の形状を含む。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標(第3号)』との規程があるんだ。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_shouhyou/chizai08.htm
尚人:「成る程。そういえば、お隣の国が『青森』といった商標をあちらの国内で商標登録をしようとして、県が無効審判請求をしたなんてニュースもありましたね。そうすると例えば、『東京』という文字が記載されていたとして、購入者は東京産の商品と誤認してしまうということなんでしょうか。」
閑:「有り体に言えば。誰の商品なのかという区別ができないということだね。ただし、だ。僕が先程言ったとおり、それはあくまで原則のルールなんだ。」
尚人:「つまり、例外もあるということですね。」
閑:「利用者の間で識別力を有するほどの実績がある名称であれば、使用も求められる場合もあるということだね。あるいは、特徴的な図形とセットで識別力を強調する手も考えられるね。」
尚人:「そうなんですか。そう言えば、洋梨に『ラ・フランス』ってありますよねえ。あれは日本名に直せば『フランス』ということですよね。フランスからクレームが来ないのでしょうか。」
閑:「あれは商標ではないと思うよ。品種名としての登録もないようだから、保護されている権利は何もないと思うがね。」
尚人:「ふうん。エチオピア側は『産地名として日本では無名』と言っていますから、誰でも識別可能かどうかという点ではハードルをクリアするのは何だか難しそうですよね。」
閑:「そもそも産地名としての認識がないのだから、誤認のしようがないじゃないかと言いたいのだろうね。『六本柳』という地名が仮にあったとして、そういう登録をしたって誰も地名と混同しないと言うことかな。」
尚人:「僕も初めて聞くような名前ですからね。『イルガッチェフェ』なんて、絶対に舌を噛みそうだ。」
閑:「『ン』で始まる名前が珍しくないところだからね。」
尚人:「ユッスー・ンドゥールですか。欧米では登録が認められたってことは、向こうでは識別力があるほどにポピュラーな名前だっていうことなんでしょうかね。」
閑:「さあね。」
尚人:「仮に登録が認められれば、コーヒーの価格高騰につながるって、登録に反対する側が言ってますけど、本当なんでしょうか。」
閑:「さあね。」
尚人:「登録は認められると思いますか。」
閑:「さあてね。僕はコーヒーを飲まないし、最終判断をするのは司法だからね。興味ないよ。せいぜい、アフリカの新しい地名を覚えることが出来て良しとしようじゃないか。」
尚人:「分かりました。じゃあ、そろそろホットミルクの時間にしましょうか。」


本日の音楽♪
「すみれ September Love」(一風堂