後日譚、というか、フォローアップ、というか、補筆

先日、英国民の半数以上が進化論と創造論の両方を授業で教えるべきだと考えているという記事をチェックしたのであるが(11月16日付け「またドーキンスかよと久美子は言った」参照のこと)、そのデータソースはここいら辺りだろうか。
http://www.guardian.co.uk/news/datablog/2009/jul/01/evolution
この英国議会出典の各国別意向調査結果によれば、「ダーウィンという名前を聞いたことがあるか」「進化論の科学的証拠の存在を信じるか」「進化論と神は両立するか」についてを尋ね、進化論への親和性の比較的高い中国、メキシコから、非常に親和性の低い南アフリカ、エジプトまで実に様々な数値が示されている(親和性の高いほうから、中国、メキシコ、英国、アルゼンチン、スペイン、ロシア、インド、アメリカ、南アフリカ、エジプトの順)。
これらの数値を二次元平面にごく大雑把にプロッティングしてみると一目瞭然なのであるが、「ダーウィンについて周知かどうか」ということと「進化論を信じるかどうか」ということとの間には、強い正の相関関係が認められる(相関係数0.9118)。知って、そして、理解をする。これは、当たり前といえば、当たり前の話。
では、「進化論を信じていること」と「神との両立は可能かどうか」との関係はどうか。直感的には、両者の間に負の相関が認められそうな気がしないでもないと思ったのであるが、実は両者の間にはほとんど相関関係が認められない(相関係数0.1224)。
つまるところ、このことは神の存在を信じるかどうかに関しては進化論とは別の要因が強く働いていることが示唆されるとともに、進化論の理解にとっても宗教が最終的な隘路となっているものではなさそうだということを仄めかしているのではなかろうか。
とは言え、生物進化の理解にとって進化論を学ぶことがオーソドクスな道でありそうなことは、第一に示した正の相関関係で明らかなことは言うまでもない。


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センチメンタル・ジャーニー」(松本伊代