It's time for homework.

先般、「有意義な時間の使い方」(6月11日付け参照のこと)において、最後に提示したパズル問題についての解答を敢えて示さなかったのであるが、わたくし自身の頭の中できちんと整理され、理解されているかどうか怪しくなくもないので、やはりこの際、わたくし自身のために、わたくしなりの回答を備忘として留めておくこととしたい。
藤村翁師の問題は次のとおりである。

パチンコ玉が六個ある。このうち、一個だけ重さが他の五個と違っている。(重いか、軽いかは分からない。)
ばね秤(天秤ではない!)を三回だけ使って、その一個と玉の重さを求めよ。

(回答)
パチンコ玉をA,B,C,D,E,Fとする。

【第1回目の計量】A,B,C,Dの4個を計量する。その重さをW1とする。

【第2回目の計量】C,D,Eの3個を計量する。その重さをW2とする。

【第3回目の計量】W1とW2の計測結果から、2つの場合分けをする。
  (1) 3*WI=4*W2の場合 → Fを計量する。その重さをW3とする。
  (2) 3*WI≠4*W2の場合 → A,Cを計量する。その重さをW3とする。

…以上の計量によって、一個だけ重さの違う玉の特定とその重さを求めることができる。

<解説>
「1個だけ重さが違う」という条件が所与とされていることから、それぞれの玉がどういう場合に重さが異なる仲間はずれの玉に該当するのかについて、整理してみよう。
その前に、まず第1回目と第2回目の計測結果W1とW2から1個あたりの玉の重さを考えてみる。W1は4個分の重さであるから、1個当たり換算では、W1÷4。同様に、W2は3個分の重さであるから、W2÷3となる。W1とW2の1個当たりの重さを比較するということは、W1÷4:W2÷3となり、このことから、3*W1=(または≠)4*W2という関係式が導き出される。 

[Fの玉]
これは最も易しい。3*W1=4*W2の場合は、つまり、3*(A+B+C+D)=4*(C+D+E)となる。この式を整理すると、3A+3B=C+D+4Eとなる。1個だけ重さが違うと言うことは、他の玉は全て同じ重さということであり、例えば、Aが仲間はずれと仮定した場合、上式は、3A+3B(又は3C,3D,3E)=B(又はC,D,E)+B(又はC,D,E)+4B(又は4C,4D,4E)=6B(又は6C,6D,6E)となり、この式を整理するとA=B(又はC,D,E)となって、Aが仲間はずれとした前提と矛盾する。以下、B,C,D,Eを仲間はずれと仮定した場合についても同様のことが言える。このことによって、1回目と2回目で計測に用いた5種類(A,B,C,D,E)の玉全てが同じ重さであるということであるから、残るFの玉が重さの違う仲間はずれの玉であるとわかる。そして、第3回目の計量の(1)によってFを計測したW3がその重さとなる。

[Eの玉]
まず、3*WI≠4*W2であること。このことによって、仲間はずれの玉が計測したA〜Eの5種類の中に含まれていることが分かる。つまり、ここでFは除かれる(以下[B],[A],[D],[C]の玉の特定の場合も同じ)。次に、W1=2*W3の場合。つまり、(A+B+C+D)=2*(A+C)。この式を整理すると、B+D=A+Cとなり、このことによって、1回目と3回目で計測した4種類(A,B,C,D)の玉全てが同じ重さであることがわかる。したがって、残るEの玉が仲間はずれ。Eの重さは、E以外の玉が皆同じ重さであることから、W2-W3(W1とW2だけであらわすとすれば、W3=W1÷2より、W2-W1÷2)となる。

[Bの玉]
3*WI≠4*W2であること。次に、2*W2=3*W3の場合。つまり、2*(C+D+E)=3*(A+C)。この式を整理すると、2D+2E=3A+Cとなり、このことによって、2回目と3回目で計測した4種類(A,C,D,E)の玉全てが同じ重さであることがわかる。したがって、残るBの玉が仲間はずれ。Bの重さは、B以外の玉が皆同じ重さであることから、W1-W2となる。

[Aの玉]
3*WI≠4*W2であること。次に、WI-W3は、(A+B+C+D)−(A+C)=B+Dの玉の重さとなることから、2*W2=3*(W1-W3)の場合。つまり、2*(C+D+E)=3*(B+D)。この式を整理すると、2C+2E=3B+Dとなり、このことによって、関係する4種類(B,C,D,E)の玉全てが同じ重さであることがわかる。したがって、残るAの玉が仲間はずれ。Aの重さは、A以外の玉が皆同じ重さであることから、W1-W2となる。

[Dの玉]
3*WI≠4*W2であること。次に、WI-W2は、(A+B+C+D)−(C+D+E)=A+B-Eの玉の重さとなることから、W3=2*(W1-W2)の場合。つまり、(A+C)=2*(A+B-E)。この式を整理すると、C+2E=A+2Bとなり、このことによって、関係する4種類(A,B,C,E)の玉全てが同じ重さであることがわかる。したがって、残るDの玉が仲間はずれ。Dの重さは、D以外の玉が皆同じ重さであることから、W2-W3(W1とW2だけであらわすとすれば、W3=2*(W1-W2)より、3*W2-2*W1)となる。

[Cの玉]
3*WI≠4*W2であること。次に、W2-W3は、(C+D+E)−(A+C)=D+E-Aの玉の重さとなることから、(WI-W2)=(W2-W3)の場合。つまり、(A+B-E)=(D+E-A)。この式を整理すると、2A+B=D+2Eとなり、このことによって、関係する4種類(A,B,D,E)の玉全てが同じ重さであることがわかる。したがって、残るCの玉が仲間はずれ。Cの重さは、C以外の玉が皆同じ重さであることから、W3-(W2-W3)=2*W3-W2(W1とW2だけであらわすとすれば、W3=2*W2-W1より、3*W2-2*W1)となる。

「エレガンス!」を日本語訳にした場合、この言葉がぴったりかと思う。
どんとはれ!


本日の音楽♪
「人魚」(NOKKO