軽め軽めの本ばかり読んでいましたよ
最近の読書歴は量的にはそこそこ稼いでいたとは言え、メリハリがないと言えばまったくその通りのだらだら滂沱ら読書であった。
読んだ本を以下にリストアップしておく。
たまには星でもつけてみようか(3つ星制)。
◆「二枚舌は極楽へ行く」(蒼井上鷹)
105円本しか読まぬ吝嗇と思われているかもしれぬが、たまには新人の新刊本も手にとって読むのである。帯文句に惹かれて購入したが、まあしかし、こんなものだろう。確かに捻りは効いているが、捻り倒せば良いというものではない。短編集はロンド形式になっているのかと期待したが、単に登場人物が重なるだけ。重奏な仕掛けはない。星ひとつ。
◆「ニガヨモギ」〜「消費セラピー」〜「ほとばしる副作用」(辛酸なめ子)
書評欄にも書いてあったが、この女性作家は、外見たいへん大人しそうな風体ながら、正味、腹黒い。しかし、それは一種の褒め言葉でもあって、秋刀魚の内臓のあの黒いワタ部分のような腹黒さのようなもので、不思議と嫌悪感は沸かない。感染リスクを承知で言えば、少々癖になる。星ひとつ半。
◆「時事ネタ」(とりみき)
彼の作品は殆ど取り揃えている。かつて彼がテレビ番組のレギュラー出演をしていたことを誰が信じようか。こういった頭の良い人の捻り技が好きだ。ギャグが浅いと言われるが、それは全くの間違い。薄い本であるのに、読了をするのに1時間以上もかかってしまうのは、それだけ伏線探しが楽しいと言うこと。星ふたつ。
◆「空を飛んだオッチ」(海老沢泰久)
定型的なジュブナイル向けSFであって、どこかありがちな設定とストーリー展開ではある。しかしながら、物語の仕舞い方にこの作家の際立った巧さがある。この作家がこの作品で何を伝えたかったのかがよく分かるラストシーンは、確かな余韻を残す。映画化もされているらしい。星ふたつ。
◆「相棒3上」(輿水泰弘ほか)
実写があってのノベライズであって、アクの強い俳優がアクの濃い演技をしてストーリーの綻びを誤魔化してしまうことが出来るということが逆によく分かる。それだけストーリーテリング自体には無理が多いということ。読者(視聴者)を驚かせたい、裏切りたいという意欲は買うけれども。星ひとつ。
本日の音楽♪
「雪」(猫)