牛丼考

吉●家フリークスの間でよく話題にのぼる謎の第1位は、なぜ吉●家は券売機を置かないか、である。同業他社や立ち食いそば屋の大半が券売機を設置しているのに、吉●家にはなぜか券売機がない。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090414-00000301-president-bus_all

なるほど。そういう疑問は確かにあった。7wondersにノミネートをするほどではないにせよ(わたくしの住む町に限った話ではないし)、他店のように券売機がないが為に、注文取りから配膳、集金、片付けに至るまでここの接客担当店員はさぞや大変だろうという思いはあった。
効率性やスピードを追求する観点からは、機械化の方に軍配が上がるわけであるが、敢えてその機械化を拒絶する理由について、当該社長はこう答えている。

社長は、券売機を置くと「ご注文は何にいたしますか」という接客用語が、ひとつ減ってしまうという。そして、代金の受け渡しという接客行為もひとつ減る。それゆえ、券売機を置かないというのだ。なんとも情緒的な回答である。

再び、なるほど。
それ相応の拘りがあるのであるのね。

「大事にしたい文化とは、サービスで言えば、お客さんと目線を合わせなくても、お客さんの動作の一部始終を把握しているといったことですね」
 たとえば、客がお茶を飲むとき、角度が高くなれば、それはお茶の量が少なくなっている証拠。すかさずお茶を追加する。客が食後に胸ポケットを探れば、それは薬を取り出す仕草。すかさず水を持っていく。(中略)
「牛丼を食べる刹那的な時間ではあるけれど、こうした、お客さんとのメンタルな繋がりを大事にしていきたい。そういうマインドを、心根のところで共有していきたいということなんです」

三たび、なるほど。このコメント内容に反論はないが、二点。
一つは、「すかさずお茶を注ぎ足したり、お水を持ってくる」といったサービスは、とても大切なポイントであるとわたくしも思う。「サービス業の神髄は接客にあり」である。
しかしながら、わたくしには当該店においてそのようなサービスを受けた試しというものがほとんどといってない。社長いうところのマインドを持った店員諸氏はどれだけおられるのであろうか。(唯一、日本一の集客と言われる店舗において順番にお茶の追加を聞かれたことがある。その店員氏はASEAN系の国の人であった。)
二つ目は、社長自ら、牛丼を食べる時間を『刹那的』と捉えていること。この店にやってくる御客様の心境(たいへんに嫌らしい言い方をすれば、わたくしたち顧客の底っぺらの浅さ)というものをよく言い表しているなあと別な意味で感心をした。

刹那的(せつなてき)
[1] 非常に短い時間であるさま。瞬間的。
[2] 目の前の快楽を求めるさま。


最近は、こうした店にとんと足を向けないが、一頃は結構な頻度で足を運び、わたくしの体型変化に大いなる貢献をした。例えば、メガ豚丼(牛丼よりも豚丼である)の御飯の方だけあと1.5倍の量であったら、本当に見栄えがして、迫力があって、食べてやろうという気持ちが沸いてくる恰好良いメニューになるのになあと常々思う程度ののめり込み具合であった。
そうした経験から、所謂3大牛丼チェーン店について、あくまでわたくし自身の好みをここに記録しておく。
 *味(牛丼):吉●屋>す●や>松●
 *メニューの豊富さ:す>松>吉
 *値段:す>松>吉
 *早さ:吉>す>松
 *店員教育:松>吉>す
 *店内の清潔感:松>吉>す
総合点で見れば、三者拮抗しているということで、どこからも賄賂は頂戴していない。


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はじめてのチュウ」(あんしんパパ)