おがわの記憶(もちろんどら焼きの話ではない)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091104-00000002-khk-soci

◆ 福●でアメリカミンク増殖、宮●も危険 肉食どう猛で生態破壊

 野生化した外来生物アメリカミンクが、福●県内で生息域を広げている。魚や水鳥を捕食するため、在来の生態系を崩す恐れが強く、被害の多い長●県や北海●では駆除が大きな課題になっている。川を経由して隣県に拡大する恐れも強い。研究者は「東●は危機意識がまだ低い。早めの対策が必要だ」と警戒を呼び掛けている。
 奥●大(●山市)の●原●雄助教生態学)は、9月中旬から●山市周辺でアメリカミンクの捕獲調査を行っている。●武●川支流の●百川と●田川にわなを仕掛けたところ、約1カ月間で7匹を捕獲した。
 捕獲場所は幅数メートルの小川で、近くに人家も多い。●原助教は「短期で小規模の調査としては異常に多い。ほかの川にも同じように生息しているだろう」と話す。


もう何度もこの場で同じ話を繰り返しているので、記事中のアメリカミンク達が一体どんな悪さをしたのか体系的に説明をして欲しい、依怙贔屓はいい加減よそうといった愚痴は今回言わない。『イタチ』はもとより、『両生類(トウキョウサンショウウオなど)やガン、カモの減少も心配』とされる実害がどの程度のものなのか、生態系がどのように激変していくものなのか、おそらく科学者はきちんと調べておられるのだと思う。『今、日本で最も多くミンクを捕まえているのがわたしかも。逆に言えば、それだけ増加が深刻なんです。』と当の研究者が口にしているその科学者らしからぬ発言ぶりに不安と不満と不信の気持ちと、遣る瀬無い思いがするものの、誰かがフォローをして、「深刻」なる要所のエビデンスをうまいこと調べてくれているのだろう、きっと。さもなくば、パタン化されたこういった類の記事は皆すぐに忘れてしまって、ミンクだけが極悪非道の生物種にたてまつり上げられる三文芝居は回避されるものと思いたい。今回わたくしとしては、そんなに二次自然が豊富な小川が身近にあってよござンした、とだけコメントしておこう。


小川と言えば、わたくしの幼い時分に、1年にも満たない期間ではあったが、両親の知人宅にわたくしの家族全員が下宿をしていたことがあった。台所もトイレもない2階の一部屋だけを間借りして暮らしていたその当時の記憶は、子供ごころに何故か快適であったな、という想い出が残っている。健康そうな光が差し込むあかるい部屋のイメージだけが妙に心に残っている。その間借りした家は、市街地郊外の市から村へ抜ける一本道の緩やかで大きな曲がり角沿いにあった。周囲は圃場整備のなされていない複雑な形の田圃とキチキチバッタの跳ねている草っ原であった。家の前には小川が流れていた。初夏の頃であったか、ある日、仕事休みであったと思われる父がなにゆえか突然思い立って、家の前の小川で泥鰌採りをしようとわたくしを連れ出した。子供の身長ほどの幅もない小さな小川であったが、水が怖くて入れないわたくしを尻目に父は、古い壊れかけたザルで岸の草の茂みあたりをぐいぐい攫い始める。すると、ザルから溢れ出さんばかりの予想以上の数の大きな泥鰌たちがザルの中で暴れ回っている。ウナギほどもあろうかという大きな泥鰌もいる。父は、慌ててわたくしに家から大きなバケツを持ってこいと指示して、泥鰌採りにすっかり夢中になり始めた。数時間はその作業に没頭していたのではないかと思われる。途中からは、わたくしも川の中に足を入れたりしていた筈である。数時間の後、大きなバケツは泥鰌で溢れんばかりになった。泥鰌屋を開業できるほどの大漁であったろう。泥鰌たちは酸欠から泡を吹いて身をよじらせのたうち回っている。父は満足そうにそのバケツを覗き見ていた。そこへ母が様子を見にやってきた。どういった会話が二人の間で交わされたのか詳しくは覚えていないが、母は「この泥鰌どうするの」と父に問い掛け、父は「さて」と答えた模様である。田圃の蝗(いなご)は捕まえてわたくしのお三時のおやつの常食にしていたが、泥鰌を食べる習慣はその当時、我が家にはなかった。結局「逃がしなさいな」という母の指示で、父はしぶしぶバケツの中の泥鰌を小川に戻した。泥鰌の何割かは酸欠のため仮死状態になって、白い腹を上にしたまま、小川の流れに身を任せて流されていった。その姿を見やりながら、わたくしは、子供ごころに罪深いことをしたものだと少しばかり反省をしたのだった。


本日の音楽♪
「浅草姉妹」(こまどり姉妹