「なにが悪いか」

◆ニセ110番と119番、1万3700回!
 虚偽の110番と119番を計約1万3700回かけたとして、●賀県警●津署は20日、●津市大●、会社員●谷●雄容疑者(61)を偽計業務妨害容疑で逮捕した。
 発表によると、●谷容疑者は2006年12月〜今年9月、自宅の電話や携帯電話から「はよ来い」「至急、至急」などと一方的にわめき散らす内容の110番を1万2311回かけ、●賀県警通信指令室の業務を妨害した疑い。
 ●谷容疑者は、多い日には十数回にわたって通報。調べに対し、事実関係を認めたうえで「なにが悪い」などと供述しているという。
(2009年10月20日12時31分 ●売新聞)


四角張って解説すれば、齢六十を超えた会社員の親爺が業務妨害という犯罪行為に抵触する度を超したいたずら電話を常習していたという三面記事の内容である。ちなみに、「12311」回という数字に何やら意味はあるのかと考えてみたが、13*947に素因数分解できただけであった。


私事ながら、最近、暇にかまけて携帯電話でへんてこな無料占いサイトにアクセスしてしまったのが運の尽。その後、知らぬ要らぬ広告勧誘メールがじゃんじゃかとわたくしの携帯電話宛にやってくる。余りにその数が多いのでいちいち消去するのが面倒になって放っておき、後日、受信数を数えてみたら、一日当たりで70余件もあった。


こうした迷惑メールは、いたずら電話の範疇には入らぬものなのだろうか。勝手に会員登録させられていたようなので、登録抹消手続きをしたところ、最終的な手続き完了までに一週間程度かかるという説明。面倒なら即座にアドレス代えろっていうことかしら。何というか、世の中の悪意というか底意地の悪さというものをつくづく痛感させられる出来事ではある。


しかし、勝マァではないが何事においてもポジティブ思考になるべきとこの際考え、携帯電話をバイブ機能に設定して、登録抹消までの約一週間、携帯電話を肩に当てたまま、くだらぬメールが来る度に常に肩を振動でマッサージしてもらおうか、そういう肩あて携帯ホルダー作ってみようかしらなどとお馬鹿なことばかり考えるようにしている。


わたくしの場合は、機械が定期的自動的に勝手にメールを送りつけてくるだけだからいいが(それでも、そういうメカニズムを作り出した技術者の非人間的な悪意の臭いは残ってはいるが)、こちらの新聞記事の場合は、受話器の向こう側に明らかに非人間的な臭いのする何者か生き物(有機体)が存在をしている。


それだけでも十分に不快な気分満載ではあるが、いっそこうした迷惑犯に対しては、改心を期待するよりも寧ろ、怨念をさらに硬化・純化・破綻させるべく、独房内に一方通話しかできない(もちろん相手側からだけしか発信できない)電話を常設して、強制的にベルを止められないように改造して、受話器を取ると向こう側からは「はよ来い」「至急至急」「なにが悪い」とだけしか言わない、それでもって、これからの六十以降の余生というものを「電話恐怖症(先日の2012にまつわるLAタイムズ紙記事から借用した。テレフォビズムとでも命名しようか)」になって貰うしかあるまいよな。…こういうのは、ポジティブシンキンとは言わないのかな。どうでしょう。勝マァフリークな皆の衆。


おまけ(おそらくあった筈の再現ドラマ)
刑事「いい齢して、世間の迷惑になることがわからんのか。」
犯人「電話かけて、なにが悪いんじゃ、クソボケ。」
刑事「何が悪いか分かっていないお前にイロハのイから諭さにゃならんワシらが一番迷惑なんじゃ。」


本日の音楽♪
「へんな女」(水原弘