最近の貿易紛争に関して街の識者の顔を装ってごく短くコメントをそれらしくまとめてみたのである

G20という晴舞台でのおためごかしとは別に、現在までのオバマ政権が保護貿易擁護の方向に傾いていることは、「カウント10!」とまでは言わないが、審判旗判定によって明らかなことではある。その典型例が、最近の中国産タイヤに対するアンチダンピングの追加課税措置である。タイヤ業界の労働組合はこの措置に一時的には喜んでいるだろうが、それで国全体の効用が上がっているのかどうかは定かではない(巷間、ヘルスケア改革の取引材料としてこれが利用されたのだという声もある)。当然のことながら、一方の当事者である中国は、例の如く机を激しく叩き、根拠無根と憤慨をしている。そこで報復措置として今度は中国側から米国産品に対するアンチダンピング課税の実施を画策する。
http://www.ft.com/cms/s/0/e7df635c-ab7e-11de-9be4-00144feabdc0.html?nclick_check=1
こうした所謂報復合戦は、今回の中国対米国に限った話ではなく、世界各国で過去から枚挙に暇なく行われてきている貿易紛争(戦争)である。例えば、鉄鋼関税を巡るEUと米国の報復合戦は夙に知られている。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090914AT2M1402Z14092009.html
今回のフィナンシャル・タイムズ紙の記事によれば、報復産品の一つとして鶏肉が俎上に上げられている。中国四千年の深遠さを考慮に入れたとしても、タイヤと鶏肉の間には「風」と「桶屋」ほどの因果関係もない。
どういった基準で中国当局が報復産品の選定を行っているのか、
◆輸入急増品目
◆国内業界からの嘆願の声
といった追い風要素と
◆国内生活への多大な影響回避
◆相手国への政治的経済的ダメージ度合い
といった副作用効果の両者を加味しながらおそらく決めているのだろう。「政治的に」。そう。政治的にえいやと決めているので、どうして鶏肉なのか、誰もすっきりとは答えられない。
いずれにせよ、これは紛れもない戦争である。そして、自由競争という潔い言葉の裏側に隠れて存在する饐えた一面でもある。


本日の音楽♪
最近どんどん凄くキモチ悪い唄ばかり歌うようになってきているのが●井堅だと思うのだが、誰も助言を送らないのでこの際、勘違い大賞にどうだろうか。
「ラウンド・ミッドナイト」(セロニアス・モンク