あなたはどの世代?①「Q,Q,Q,おばけのQ〜♪」②「あのね、Q太郎はね〜♪」③「クエースチョン、クエースチョン、君は誰?♪」

2009年7月。待ちに待ったというか、大願成就というか、夢のようなというか、『おばけのQ太郎』の復刻版が漸く発刊をされたのである。
USAからの実施権許諾番組『クイズ百人にききました』において、「日本を代表する国民的アイドルといえば誰?」という設問が出されたとしたら、SMAPや彩さんやキティちゃんやらを差し置いて、断トツで一位になると(わたくしは)思っているQ太郎(Qちゃん)。
何はともあれ、先日、本屋を三軒ばかり廻って、その待望の一冊をわたくしの手中に収めたわけである。
http://www.shogakukan.co.jp/fzenshu/top.html

今回発売された『おばけのQ太郎』第1巻(全5巻発刊予定:※藤子不二雄大全集ということで、これ以外にドラえもんパーマンキテレツ大百科エスパー魔美やらも刊行されていく予定の模様だが、Qちゃん以外に食指が動くとすれば、ウメボシデンカとジャングル黒べえくらいかしら…)は、昭和30年代の初デビューの頃の全作品を掲載している。無論、この頃の作品をわたくしがリアルタイムで覚えている筈もなく、この少年サンデー誌への掲載作品を読んで、新しく知り得た情報というものがいくつかあった。
例えば、初登場の頃のQちゃんは大変に胴長寸胴で頭の毛も3本以上あったということは以前から知ってはいたが、以下のような事柄は今回初めて知った。


◇藤子F不二雄画伯の作品だとばかり思っていたのであるが、少年サンデー掲載の頃の作品群は、石森章太郎つのだじろうらを加えた集団体制(スタジオゼロ)による合作であった。特に石森章太郎カラーのキャラクターが作中登場人物として多く登場するのが目を惹く。正ちゃん一家以外の準レギュラーメンバーは殆ど登場していない中で、ラーメン大好き小池さんだけは、この頃から早くも常連化をしている。


◇Qちゃんの特技は、「空を飛ぶ」「消える」以外にはないと思われていたが、「動物となら何とでも話せる」という才能も備えていた。後期作品ではそういうシーンは記憶にないので、隠れた特技と言えるかもしれない。また、後期には、他のおばけ仲間と同様に、「ばける」という特技も猛特訓の末に何とか身に付けた筈。(但し、カッポン靴にしかばけられなかった。)


◇Qちゃんはドライもんのように正ちゃんの部屋に始終居着いていたわけでなく、庭の木の上に鳥(犬)小屋のようなものを建ててもらって、そこに住んでいた。しかし、そこは単なる入り口で、じきに家の真下に巨大な地下室を作った。当時の家電がフル装備、風呂、トイレ付きという豪勢なものであったが、トイレは古風な汲み置き和式タイプと思われる。そんな時代の空気がよく感じられる暮らしぶりではある。


◇Qちゃんは両親も兄弟姉妹も知らない孤独な身の上として描かれている。勿論、ライバルのドロンパなどは未だ登場しない。後に登場する本物のパパ、ママはたいそうキュートな人柄である。ところで、正ちゃんのお父さんお母さんを「パパさん」「ママさん」と呼んでいて、アニメの最終シリーズではその呼び方を「パパ」「ママ」に変えたことを記憶しているが、この初期シリーズでは「パパさん」「ママさん」は使用していない。


それこれの驚きは種々あったが、Qちゃんは相変わらずキュートでおっちょこちょいでそれでいてちょっとシニカルで可愛い。とぼけた佇まいが、愛おしくてたまらない。オトナになった特権として、早く全巻を揃えたい。


本日の音楽♪
「hot stuff」(DONNA SUMMER)