夜ピク(略語厳禁)

夜のピクニック」ではないけれども、強行遠足のような行事を残す高校は未だにあるようではある。大学の頃に、歩行距離は様々であったが、そういう体験をしてきた同級生の多さを意外に思ったことがある。


わたくしの高校には幸か不幸かそういう習わしは一切なかった。「学校行事として初めてマラソン大会が行われそうだ」という噂が立っただけで、「それはやめましょう」「怪我人続出で問題になりますよ」と学校側と掛け合って、その回避にエネルギーの殆どを仕向けるような生徒ばかりであった。
「適当」とか「御随意」という言葉には共感を示すが、「頑張る」とか「根性」とかとは、無縁の校風の高校であった。


そういったわけで、わたくしとしては、「東海道中膝栗毛」や「奥の細道」やらを思い浮かべつつも、果たして一日に何㎞歩けるだろうかという実感がないままに大人になり、さらに年を重ねてであったが、つい10年ほど前に地元で行われたウォークラリーというものに初めて参加する機会を得た。


それは、全行程約40㎞を一晩かけて完歩しようという(夜スタート、明朝ゴール)何が愉しいのかよく分からない企画ではあった。
十里程度ならば、東海道五十三次で言えば、日本橋から藤沢宿(7つめ)くらいの距離であるし、大震災が起きたときには徒歩で自宅まで帰らなければならないこともあるのだし、体力的に見てまあ大丈夫ではないかしらと思いながら参加したのであったが、ただひたすらに歩くだけとなると、やはりたいそう長い距離ではあった。
何の因果かその後、4,5回ほど同じ催しに参加をした。


それらへの経験から、体力や脚力と言うよりも靴と足とのフィット感(靴ずれ等を起こさないこと)が大切であること、足の裏全体や股関節が結構なダメージを蓄積しやすいことを実感した。
それと、モータリゼーション(電車、自動車等)という文明の素晴らしさを改めて実感するわけでもあるが、それ以上にわたくしは自分の体力だけで遠くに早く行くことができる「自転車の偉大さ」というものに、道中、何度も思いを致していたことが印象深い。


なお、夜間行軍であるからにして、睡魔との斗いというものも結構難儀である。それは子供達にとっての難所でもある。
周囲は只管真暗で、景色を愉しむわけにもいかない。退屈さとの斗いというものもある。こちらは大人達にとっての難所と言える(今ならばiPod必携)。


本日の音楽♪
「新おばけのQ太郎」(モダンチョキチョキズ