桜桃忌

「生きていて済みません。」といったような人間はこの地球上に誰一人存在しないのだという当たり前の条理を踏まえつつ、では人間が起こす行動の社会的意義は?という問い掛けに対しては、それは千差万別様々であろうと答える。各々の人間の行為行動に基づき、法律で罰せられる、顰蹙を買う、賞賛をされる、褒賞を受ける等、様々な評価が社会から下される。そうした所業の善悪の幅を持って、もしかしたら地獄に落とされたり天界に行ったりするのかもしれないが、少なくとも現世で生きている以上は生きていること自体に意味のあることは誰も変わりがない。


と或る駅前広場を歩いていたところ、住所不定らしき小父さんがゴミ箱を漁っていた。珍しい光景ではないので、誰も注目したりはしない。小父さんは、ゴミ箱の奥から新聞紙を引きずり出し、おもむろに読み始めたが、突然大声を出して怒り出した。「4日前の新聞を読めってのかよ!」と、かんかんになって怒り、幻の相手に向かって悪態を衝いている。わたくしは、その光景を見ながら、文字が書いてあるのだからいいじゃないの、何よりも不幸なことじゃないわ、と内心で思った。


地下鉄の階段を上がりながら、今日はやけに街宣運動が賑やかなことと思っていたら、某新興宗教集団が国政への参画を表明した早速の街宣活動に遭遇をした次第。常々感じている宗教と政治の不斉合に関してわたくし自身の中で今一度再確認をしながら、街宣車の横を通り過ぎようとしたところ、突然「ご声援ありがとうございます」とスピーカーでがなり立てられてしまった。残念ながら彼らにわたくしの真意を読み取るスキャナーズとしての才のないことがここで明らかになってしまったのではあるが、彼我の目線と感覚と思考の違いというものについては薄ら寒いほど実感はできているので、わたくしのことなど気にかけていただかなくてもよろしいことよ、と内心で思った。それさえ、スキャンできぬだろうが。


いつぞや大昔の話であるが、某著名人が徳川埋蔵金探しを企画し、鼻の穴拡げて、本気の顔つきで、どこぞの山の麓を盛大に穿り返していた。これは見事な環境破壊行為だなあとその当時思いながら、一体どのような社会的意義がある行為なのだろうかと考えてもみたが、わたくしの頭では何の意義も見出せなかった。今ならば、当該当事者も冷静な気持ちで語ってくれるかもしれないので、いっそ聞いてみたいところではある。「道楽」などと云った個人的酔狂レベルで、視聴者からの散財を集めていたわけではあるまい。


文化財発掘としての意義があるのではないか、とアカデミックに考える御仁にはこの記事が参考になろうかと思う。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200905272030
あまり話題にならないことが却って好ましいことには違いないが、学術的な観点は兎も角として、その行動の社会的な意義はいかへんにありや。

今から約100年前に起きたナゾの自然爆発現象「ツングースカ大爆発」の現地調査を2004年に行ったロシア人研究グループは26日、ロシア地方紙のインタビューに応えて2004年の調査時に発見したとされる異星人のものとみられる宇宙船の残骸を公開した。
今回、公開された宇宙船の残骸とされる物体は、表面に三角形の不思議な幾何学模様が刻まれたクリスタル(Quartz Crystal)質のもの。

ラ●ビン理事長によると現地調査などによるこれまでの研究結果から、ツングースカ大爆発は異星人の宇宙船と隕石が空中で衝突したことが原因であるとした上で、巨大隕石落下に伴う地球的規模での自然災害が起きるのを食い止めるために、異星人が自己犠牲の精神で宇宙船ごと隕石に体当たりを行ったことに伴う副次的爆発が原因であるとの考えを同時に示した。

ラ●ビン理事長は、2007年にはツングースカ大爆発の現場から回収された隕石約3トンが盗難にあったと地元の警察当局に通報し、世界的に話題に上った人物としても知られてる。

この外国人がSF作家であって、小説作業だけに傾注していたのならば、いっそわたくしも冷麺並みの冷やかな視線を向けたりしなかったかもしれない。
翻って、仮に、わたくしたちの子供たちに社会的に生きるという意味を教えるとして、こうした事情を目の当たりにするにつけ、それは結構難しいことなのだと云うことを教えなければならないのかもしれない。


本日の音楽♪
「思い出俄爛道」(空気公団