大阪の灯は遠かった

「フィーリングカップル5vs5」と言えば、なにがしかの共感(別の表現を借りれば、<胸騒ぎ>と言ってよかろうか)を持って迎える世代というものが確かにあって、それはおおむね2decadesの世代範囲に及ぼうものかと考えられる。当時は、文化祭や学園祭の出し物の定番となっていた。
学生時代に友人同士で、「(ほんものの番組に)出てみたいよねえ」といった話をしている中で、いったい5人がどの席を確保するかで盛り上がったことがある。
ほぼ常識的なお約束事として、一番の席には、リーダー役が座る。冷静沈着、先頭に立って指図をするのが好きなタイプである。二番の席には、サブリーダー的な役が座る。そこそこにしっかり者で、よく言えば渋いバイ・プレイヤータイプ。しかし、率直に言えば、全体的に個性がないというか、影の薄いタイプ、と言えようか。三番の席には、とにかく真面目で元気の良い、めげない人間が座る。ゴレンジャーで言うところのアオレンジャータイプ。四番の席には個性色の強い人間が座る。アクが強いと言ってもよい。但し、万人に好かれるタイプではないので、スべりやすい欠点がある。今で言うキモいテイストを併せ持ったタイプ。美男美女系は決して四番には座らない。五番の席は、言わずとしれたいじられキャラ。笑いを勝ち取る真打ち的存在。回答ぶりにおいても、ウィットに富んで、観衆にウケなければならない。相当の芸と才能を必要とする。
そんなこんなを皆であれこれ語り合いながら、では自分が何番の席に座るかという話になった途端、皆が皆、二番に座りたいと希望した。五人が一カ所に固まって座るその構図を想像しながら、「よほど個性のないチームだねえ。」と、しみじみ納得しあった思い出がある。


本日の音楽♪
「センチメンタルボーイ」(舟木一夫