また蜂の話かよ

薫風香る五月も過ぎ。日増しに緑が生き生きと感じられる今日この頃、わたくしは如何お過ごしのことでしょうか…と言うと、まったくいつもと変わりない。
緑生き生きは殊程左様に結構な話であるが、難儀な虫類も活動を活発化させる。イラとかヒルとか…思い出すだけで憂鬱になる。中でも典型的なものがこれ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090522-00000048-yom-soci
スズメバチ。厄介な相手である。どこぞのNPOや独裁国よりも性格は攻撃的暴力的である。何せ、こちらの命にも関わってくるような兵器を保有している。話し合って妥協点を見出せる相手ではない。彼らに会ったら即座に撤退。場合によっては、夜討ち、撤去といった非合法的諜報破壊活動を必要とする。素人は危険なのでくれぐれも手を出さないこと。破壊活動は非情のライセンスを必要とするのである(かといって、天知茂がこれを天職としていたわけではない)。


子供の頃は何故かアシナガバチの多い地域に暮らしていたので、子供の残酷さを持って、謂われなく彼らの巣を攻撃したりした思い出がある。子供なりの様々な工夫を凝らした破壊活動方法はあるのだが、時々というか、しょっちゅうといってよいほど逆襲を食らって刺され返す。しかし、2〜3日くらいでそれは癒った。そして、その逆襲の復讐の繰り返し。無意味な怨嗟の連鎖。子供は懲りない。というか馬鹿。アナフィラキシーがなくてよかった。
今暮らしている地域ではアシナガバチはあまり見掛けない。ぶんぶんぶん♪で御馴染みのクマバチが毎年同じ所に巣作り(朽木に穴)をするらしく、この時期によく出くわす。迫力或る風体で牽制的な動きをよくこちらに仕向けてくるが、ちょっかいをかけない限り襲ってはこないので、知らん振りに限る。
ミツバチ?…激減?…さあてね。果樹園の傍では働き者のマメコバチの姿を時々見掛けるが...


と或る地方一帯では地蜂(ジバチ)を食する習慣があることで知られているが、わたくしもその経験に与ったことがある。その筋のベテラン先生に連れられて、まずは地蜂の捕獲からオンザジョブトレイニングを受けた。
先生は本業のお仕事の合間にその地蜂の飛翔を目撃・確認をし、おおよその巣のありかの目星をつけておられる。その後、近辺を探索し、巣の所在をおよそ特定しておられる。
わたくしは、その次の段階から、先生に付き添って夕方前に出掛ける。先生は、手製の火薬に火を点け、目星を付けた、何の変哲もない地面の巣穴らしきところに何個かそれを突っ込む。地面の中から煙が上がる。一服をして暫し待った後、ここからここまでを掘れとの指示でスコップを入れる。暫くすると、煙と共に、土の中から突如として大人の頭より二回りほども大きな白い要塞が現れる。巣は何層にも重なっており、その穴々には幼虫と成虫が先程の煙で麻痺して動けなくなっている。先生は何層かを元の儘、地中に残して、残りの巣を袋に入れ、おしまいの号令をかけ、さっさと帰っていく。
その後、作業場に戻り、巣穴から一個一個を取り出し、成虫も幼虫も炒めて、皆で盛大に食べた。ことのほか、美味しかった。


本日の音楽♪
「制服」(松田聖子