The 2nd of the 7wonders

わたくしが以前に、わたくしの住む町の七不思議の一つを指摘し、残る六つについては知る由もないと言及したこと(1月27日付け「一杯所望致す」を参照のこと)を無責任の謗りと自省しつつ、何か不可思議な事象は他に存在していないものかと思案を続けた末に、ふと思い出したのが近所のと或るレストランのことである。


七不思議はまたぞろ食堂ネタであって、「この町の食事情は一体どうなっているのか」と猜疑心に充ち満ちた心証を形成されてしまっては、この町に住むわたくし以外の多くの人々に対して、不本意にもあらぬ評判を被せてしまうようで、大変心苦しい。
ラーメン屋の次がレストランであるというのは、全くの偶然である。第三番目が居酒屋であることは、よもや無いことと思う。


本題である。
近所にレストランがある。イタリア風のありふれた店名を掲げている。
入り口横のメニュー陳列棚を見る限り、カツレツやらピラフやらパスタやらを提供するオーソドクスなタイプの洋食レストランである。
窓から見える店内は、四人掛のテーブル席は十ほど、少し光量が足りない以外は、特に雑然としている様子もなく、特異な光景といったものは見当たらない。
幹線沿いに立地し、駐車場も完備されている。
何の変哲もないごくありふれた普通のレストランなのである。


このレストランはわたくしがこの町に住み始めた以前から存在していたと記憶することから、凡そ十余年以上に亘り、この町で営業を続けていると思われる。
そして、七不思議の事実についてであるが、この店に客が入っているのを見たのは、わたくしがこの町に住み始めてから片手ほどの回数ほどしか記憶がない。
いつ何時その店の前を通りかかっても、店内は殆ど無人なのである。
店の主人らしきコック帽を被った親爺殿がテーブルや厨房で新聞を読んでいるのを時折見掛けるくらいである。


この店が立地する幹線沿いには食事処が多く、それぞれの店は相応に賑わっている。
ただし、中々繁盛しない店というのも中には当然あって、そういった店は年月を保たずに店を畳まざるを得なくなる。
そうして代替わりを繰り返しているところもあるにはある。その見切りは結構早いように感じる。
最近営業を開始したラーメン屋は、わたくしが認識しているだけでも五代目の店(以前の店とは何の関係もない)である。


そうした新陳代謝を繰り返す状況の中にあって、あのレストランだけは、事ほど左様に熱心に客人を吸い込んでいる様子も一切なく、悠然と看板だけを掲げて佇んで、早十余年である。
看板も店も幾分草臥れてきている感じはなきにしもあらずであるが、それでも堂々と佇んでいるのである。
賃貸ではなく、自営だからこそ為せる商いであるということなのか。


わたくしが通りかかったその時だけ、偶々客が居なかったということでは決してないだろう。
何故ならば、わたくしがその店の前を通りかかる頻度は数え切れないほどの多さであり、また、他店が繁盛を競うような週末の夕方時でさえ、店内はひっそりと無人なのである。


実はかくいうわたくしもその店に入ったことがない。
したがって、腕前の程はよく存じ上げない。
わたくしはそのことを十分に意識してしまったからなのかもしれないが、人を拒む雰囲気はあるような気がしないでもない。


何故、客が入らないのか。
何故、客が入らなくても店の存続は可能であるのか。
七不思議と言えど、そのような個人的事情に首を突っ込む気はさらさら起きないのであるが、寧ろ、いつの日かわたくしがその店の客として訪れる日が果たして来るのかどうかということが、わたくし自身の目下の最大の関心事である。


買米国製品条項(続々報)

バイ・アメリカン条項に関する最新情報を入手。
先般もフォローしたおかみ(行政府)の記者会見録で、同条項と地産地消に関するやり取りがあった。

http://www.meti.go.jp/speeches/data_ej/ej090226j.html

Q: 都道府県や政令市もWTOルールが課されるということで、その際どこまでが保護主義政策なのかというガイドラインみたいなものというのは示されているのでしょうか。つまり地産地消まで保護主義なのかと言われるとちょっと厳しいかなと思うのですが。

A: 基本的には政府調達コードです。そこでは明確に書かれていると思います。ですから、それを守ってやっていただければいい。正確に申し上げられませんが、何千万円以上の地方政府の調達については、入札について一定のルールを守るというようなルールは明確になっていますから、それを守ってやっていただければいいということだと思います。

Q: どこまでそれを自治体のほうが判っているのかということは如何でしょうか。

A: 都道府県と政令市についてルールがかかるのですけれども、この話というのは突然何か降って湧いたり起こった話ではなくて、総務省からも常時、広報もして、よく理解していただいていると思いますので、知りませんでしたということには、本来はないと思います。

Q: 政令市未満の普通の市町村はどうなるのですか。

A: WTOのルール上は外れています。

成る程成る程。
ここまで明確に説明されているのだったら、この際、記者側もバイ・アメリカン即アウトみたいな赤狩り運動みたいなレッテル貼りの論調は止めにすればいいのに。
と、しみじみ思う。


本日の音楽♪
「hello」(sotte bosse)